慣れた歯科助手さんには普通ですが、
経験が浅い歯科助手さんには何が何だかわからないでしょう。
1ヶ月くらい経つと
大まかには準備できるようになるものの
「この鉗子じゃない」みたいなことも言われる頃でしょう。
そして
経験をつんだ歯科助手さんでも
「何でその鉗子ではダメなのか?」ということが
意外とわかっていない人がいるようです。
今回は
初心者の歯科助手さん向けに
普通抜歯で使う器具の中でメジャーな3つ
鉗子、ヘーベル、鋭匙のうち「鉗子」について簡単に説明します。

「かんし」と読みます。
患者さんが「抜歯」と聞いて頭に浮かぶペンチみたいなものです。
これだけで抜歯することもありますし、
ヘーベルで脱臼させてから最後につかむこともあります。
*現実的には後者の方が圧倒的に多いでしょう。
初めて見た時は全て同じに見えるかも知れませんが
意外と細かく色々な種類に別れています。
まずは上顎と下顎の違いを知りましょう。
上が上顎用で下が下顎用です。
簡単に言うと
上顎用が2回曲がっていて下顎用が1回曲がっています。
わかりやすく写真をアップにしてみましょう。
忘れやすい人は
昼休みなんかに歯科医師になったつもりで
実際にユニットを倒して鉗子を持ってみてください。
反対だと非常に持ちにくくて
やりにくいことが実感できると思います。
前歯部用と臼歯部用の違いは
簡単に言うと
当たり前ですが「細いか太いか」になります。
写真だとわかりにくいので
器具の本などで確認してから歯科医院で比べてみてください。
ただし初心者の歯科助手さんで
「前歯部用は細い」と思ってコレ↓を持ってきたことがありました(笑)
コレは
いわゆる「残根用」の鉗子になります。
歯が崩壊して根だけしか残っていないと
普通の鉗子ではつかめないのです。
ベテランの歯科助手さんになると
歯科医師が言わなくてもレントゲンや口腔内を見て
「残根の抜歯だ」と気づいて、当たり前のように用意してくれます。
逆に言うと
経験半年くらいの歯科助手さんでも
今まで抜歯する歯を言われて
「上顎・下顎」「前歯・臼歯」の区別しかしていない人が多いです。
なので、
経験半年くらいの歯科助手さんが一歩前進して
何も言われなくても残根鉗子を用意してくれると
教えている歯科医師としては非常に嬉しいものです。
・・・少なくとも私は嬉しくて後で褒めてしまいます(笑)
もっと詳しく勉強したい人は
「カラーアトラス抜歯の臨床」が一番写真もキレイで詳しいのですが
歯科医師用で他の部分が細かくて値段も高いので
「歯科診療補助歯科器械の知識と取り扱い」が一番良いでしょう。
普通の本と比べてしまうと安くはないですが
器具の知識としては、ほぼ完璧に網羅しています。
初心者の歯科助手さんで簡単に勉強したい人は
次の2冊でも良いと思います。
・デンタルアシスタントマニュアル 歯科臨床の基礎
・歯科アシスタントMY BOOK
ただし
デンタルアシスタントマニュアル 歯科臨床の基礎は簡単に鉗子の写真が載っていますが
歯科アシスタントMY BOOKは絵だけですので、
経験のある歯科助手さんは物足りないかも知れません。
タグ:歯科助手 抜歯器材
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